(1999/3/20)/
/歴史館いずみの/−佐野の食野(めしの)家が登場する落語−/
大阪落語 『 たばこの火 』
『いや決して嬲(なぶ)るのやない。往く先がないのや』(注意)
『アア左様(さい)でごわすか・・・相棒しっかりしてて呉れよ。おかしい具合やでぇこら・・・
旦那(だん)さん、往く先も決めないで、そらえらい難儀だすがナ。』
『アハハ・・。まあええがナ。何処までも往くと云はしゃったに依って乗せてお貰い申した。
まっ、歩いてタラどうにか成ろうかい。』
『そんなじゃらじゃらした事。・・・大体そんなら、何をしに歩いてござったんで・・・』(下へ)
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『えろう気になると見えるナ。実は何しに来たと云ふ考えもないのぢゃ。
ただ退屈紛れに今朝早う、和泉の佐野から堺まで駕で来ましたのぢゃが、乗り草臥れた(くたびれた?)ので駕を帰して、
住吉まで歩いて来た処を、あんた方に呼び止められて、何のあても無しに乗ったまでぢゃ。しかし駕屋さん、大阪には立派なお茶屋さんが仰山(ぎょうさん)にあるさうぢゃナ。』
『そりゃもう、大きなお茶屋は沢山にございます。新町の吉田屋、北陽(きた)の錦富なんどと申しましたら、
中々有名な物で、ヘエ。』『そんな家では、知(し)らん者(もん)は遊ばさんのぢゃろナ。』
『大茶屋は一現のお客さんは皆断ります。が若(も)し旦那(だんな)がお越しに成ろうとお思ひでござりましたら、
錦富の女中頭、お富どんと云ふ人と心易うして貰(もろ)うてますよって、錦富なら御案内申します。』『こんな田舎親爺でも遊ばして下さるかナ。』
『へーえ。そらもう旦那(だん)さんの御人体(ごじんてい?)でおましたら、決して粗略にはしや致しまへん。』
『そんなら、その錦・・富かナ。それへ連れて往て貰ひませう。』
『ヘイ承知を致しました。相棒北陽(きた)やで』
『やれやれ?う往く先が出来(でけ)た。』
『気楽なお方やなア。そんなら旦那(だんな)、一つ走らせて貰ひます。』
『アアコレコレ。別に急ぎやせん。そんな無理を(し?)なはんな。
注意:私は、落語家でもなく文学者でもない者です。(上に戻る)
そんな人間が、泉州の事を知っていただきたい一心だけで、この落語をご紹介しています。
ですから、語句の間違いもあるでしょう。また、意味も分からない語句もあります。
その辺り、ご理解の上、お読み下さい。
この辺り、わかる方がおられましたら、是非、メールにてお知らせ下さい。
「草臥れた(くたびれた?)」(上に戻る)
この語句の読みは、正しいでしょうか。
「御人体(ごじんてい?)」(上に戻る)
この語句の読みは、正しいでしょうか。
COPYRIGHT (C) 1999 Makoto.Ohtsuya 1961 from_96/11/12